授業関連
課題研究Q1
自然界は、量子力学が関わるミクロな階層から、流体力学で記述されるマクロな階層まで、多様な階層により構成されています。
液体をはじめとする不規則系は、 このような各階層間の関係を縦断的に調べるための格好の研究対象です。
具体的に本研究課題では、クラスター、金属流体、室温イオン液体を対象とした物性測定(X線測定、超音波測定など)をテーマとして取り上げ、
構成粒子間の微視的相互作用の理解と不規則系が発現する特異な物性の解明を行います。
担当教官: 松田 和博、永谷 清信、北村 光
ゼミ用テキスト
N.W. Ashcroft & N.D. Mermin『Solid State Physics』(Thomson Learning (1976))
参考書
- 「構造不規則系の物理」N.E.キューサック著、遠藤裕久・八尾誠訳(吉岡書店)
原著:The Physics of Structurally Disordered Matter: An Introduction, N.E.Cusack, Adam Hilger , 1987 - Theory of Simple Liquids 3rd ed., J.P. Hansen, I.R. MacDonald, Academic Press/(2006)
現代の凝縮系物理学/チェイキン・ルベンスキー/吉岡書店(2000)
過去のQ1テーマ
- 2017年度溶融Li-TFSIのX線小角散乱実験
- Gaナノ粒子のX線小角散乱実験
- 2016年度溶融Li-TFSIのX線小角散乱測定
- 2015年度液体イオウ・液体イオウ-ビフェニル混合系のX線小角散乱実験
- ジャイアントクラスターの生成法と生成過程についての研究
- 2014年度ジャイアントクラスターの生成法と生成過程についての研究
- アルカリハライド溶融KClのX線小角散乱測定
- 2013年度X線小角散乱による室温イオン液体とベンゼン/フルオロベンゼン混合溶液の構造研究
- 混合ガスの利用による巨大クラスター生成条件の探索
- 2012年度室温イオン液体へのベンゼン溶解及びX線小角散乱実験
- 混合ガスの利用による巨大クラスター生成装置の立ち上げ
- 2011年度室温イオン液体のX線小角散乱実験
- X-FEL(SACLA)利用実験に向けた巨大クラスターの生成条件の探索と検証
- EUV照射下のXe原子及びXeクラスターの光電子スペクトル解析
- 2010年度ESI(Electrospray Ionization)によるイオン化微小液滴の作製
- 動的光散乱法を用いた室温イオン液体の表面張力波測定
- 2009年度室温イオン液体のX線小角散乱実験
- 室温イオン液体の超音波の音速、吸収測定
- 動的光散乱法を用いた室温イオン液体の表面張力波測定
- 質量分析を用いたハロゲン化ベンゼンの解離過程
- 2008年度マイクロ波分光を用いた室温イオン液体の誘電緩和測定
- パルスクラスターを用いたクラスター作製
- 2007年度マイクロ波分光を用いた室温イオン液体の誘電緩和測定
- 動的光散乱法を用いた室温イオン液体の表面張力波測定
- 室温イオン液体の超音波の音速、吸収測定
- 内殻励起によるハロゲン化ベンゼンの解離過程の研究
課題演習B1 相転移
相転移の多様性・普遍性を理解することを目標とし、相転移を示す種々の物質を対象として物性測定を行います。
具体的には強磁性-常磁性転移や、合金における規則-不規則構造相転移、さらにはネマティック液晶のフレデリクス転移などを測定対象
として取り上げます。相転移温度近傍における物性異常の観測及び解析を通じて、相転移における協力現象の普遍性とその微視的機構の本質的理解を目指します。
担当教官: 松田 和博、永谷 清信